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パジャマムーンはヨーロピアンヴィンテージテントを扱い今年で10年目です。一年補償や修理、マルシャルテントなどの買取など、アフターケアも万全に整えています。

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レトロテントは高い?その真相を徹底解剖!

はいど~も、パジャマムーンです!

当店で販売するテントは、この公式HPで紹介している以外に、インスタを始めとするSNSなどでも、入荷したテントをご紹介していたりもします。

参考/pajamamoon Instagram

しかし、それらには個々の販売価格などは記載していないので、お問い合わせを頂いた場合、良くお客様に言われる言葉があります。

それは、「レトロテントってそんなに高いんですか!?」ということ。

実際、初めてレトロテントに興味を持たれて、お問い合わせをいただいたお客様には、かなりの高確率でこう驚かれます。

結論から申し上げますと、現在日本で普通に流通している一般のテントと比べると、レトロテント(もしくはビンテージテント)は、確かに高いです。

しかし、もちろん高いには高いなりの意味があります。

今回は、レトロテントを購入する場合に、戸惑わないための指針としていただけるよう、レトロテントの値段について深堀りして解説していきたいと思います。

レトロテントは高い!まずはそれを理解しよう

「レトロテントってそんなに高いんですか!?」

このセリフは、ほんとに飽きるほど聞きました。

でも、レトロテントに接したことのある方には当たり前のことでも、初めての方には仕方のない反応だったりもします。

なぜかって?

それは、レトロテントは確かに高いからです!

レトロテント概算価格

例えばこちらをご覧ください。

これは、ある日のパジャマムーン商品販売ページの画像です。

これらはすべて5~6人用タイプのレトロテントですが、安いものでも110,000円、高いものは258,000円ですね。

つまり、状態によって様々ではあるものの、レトロテントはほとんどが10万円~20万円ぐらいはするものなんです。

これは通常国内で販売されているテントの中では、一部の特殊商品は除き、概ね最上級に高額な部類に入ります。

レトロテントは中古商品なのに高いの?

レトロテントとはそもそも1970年代から90年代にかけて、フランスを始めとするヨーロッパ各国で作られたテントです。

今では製造販売されていないそれらのテントは、その殆どが中古品です。

中古品ということは、概して元々の販売額よりも値下がりしていることが多いのは事実ですが、レトロテントの場合そもそもの販売数が少なく、まして状態がいいテントというのが少ないのも事実です。

その中でも状態の良いテントは、いわゆるビンテージテントとしての希少価値もあります。

当店で扱っているレトロテントは、国内の愛好家より譲り受けたものから、海外より直接買い付けた商品まで様々ですが、その状態によって価格も変化します。

当然ながら状態の良いテントは価格も高く、価格の安いテントは状態があまり良くない物となってしまいます。

パジャマムーンではあまり状態の良くないテントに対しては、リペアやメンテナンスなどを施す場合もありますが、経年変化による幕体の色あせなどはいかんともしがたく、そのヤれた風合いを楽しんでいただくのもレトロテントの楽しみとご理解ください。

関連記事/初めてのヴィンテージテントでがっかりしないための心得

こういった中古品にもかかわらず、レトロテントが高額な理由は、先述の通り流通数が少ないこともありますが、やはり元値が高いというのが大きな理由となります。

では、本題の「なぜレトロテントは高いのか?」といったことに関して、次章より解説してきたいと思います。

レトロテントの構造

レトロテント発祥の地はヨーロッパ。

そこでのキャンプというものは、多くはバカンスなどにおいての長期滞在型キャンプが主流となります。

1~2週間、場合によっては1ヶ月以上の長期に渡ってテントを張り、そこをベースとしてレジャーを行うという、日本の週末キャンプとは明らかに違うキャンプスタイルがベースにあります。

ですのでテント自体も、携帯性や簡便性より、居住性や安全性を重視して作られたものが多く、作り自体もその随所に遊び心が散りばめられた物となっています。

雨にも負けず、風にも負けず、火にも負けない|高級天然コットン製の幕体

現在日本で使用されているテントの殆どは、ポリエステルやナイロンが主流です。これらは、なんといっても薄く丈夫で、軽量であるというのが最大のメリットです。

しかし、火には弱く、醸し出す風合いも正直なところ風情があるとは言い難いものです。

それに対しレトロテントの場合は、ほとんどが天然の高級コットンで作られています。

コットンの特徴としては、通気性が良く、冬は暖かく夏は涼しいというもの。布自体の厚みもある分、遮光性もバッチリですので、日差しが強い時でもしっかり日陰を確保できます。

また、大きな特徴としては火に強く燃えにくい(難燃性)というものがあり、テント幕の下でも炭火調理や焚き火が出来るというのが、大きなアドバンテージでもあります。

近年日本のキャンプでも、焚き火が流行っている風潮を受け、TCやVCといったコットン混紡の素材で作られた、テントやタープが見直されていることからも分かるように、焚き火派のキャンパーにとっては何ものにも代えがたい素材なんです。

ただし、それだけ優れたコットン素材ですが、一番の弱点はその重量です。

布自体が厚く、テントに仕立てた時の重量はナイロンやポリエステルのテントとは、比べ物にはならないくらい重いのは難点です。

しかし、逆に考えれば重いということはそれだけ風に強いということにも繋がります。鉄骨フレームに掛けられた天然コットン製の幕体は、しっかりとした張り方をすれば、少々の風程度ではバタついたりしません。

また、水を含むと繊維の一本一本が膨張し、水を通しづらい布となり、防水加工とも相まって、多少の雨ではびくともしません。

がっしりと張られたレトロテントは、まさに長期滞在型キャンプのベースとなるくらい、雨風に強く、さらにその場合でもその下で焚き火や調理が行えるという、居住性に特化したテントなのです。

重い!デカイ!それでも頑丈さが売りの鉄骨フレーム

天然コットンの幕体に加えて、フレームも重くかさばるのがレトロテントです。

これは確かにソロキャンプなどの場合は、圧倒的に不利な条件かもしれません。

現代のテントは、アルミなどの軽量な2~3本ほどのポールを、組み合わせて建てられるモノがほとんどだと思います。

しかしレトロテントの骨格は、ポールなどという華奢なものとは一線を画している、無骨でガッシリとしたものです。

文字通り鉄骨でフレーム上に作られたレトロテントは、それ自体の重量と構造上、堅牢性は現代テントの比ではありません。

元々が1泊程度のキャンプを想定して作られたテントではありませんので、簡単に建てられるということよりも、快適で安全なベースを作るという考えで作られたモノが、レトロテントなのです。

おしゃれな小技も楽しい|長期滞在型テント

長期滞在形を目指して作られたレトロテントは、その素材自体がしっかりしているというのは勿論ですが、それ以外に滞在時間を楽しくする工夫がいっぱい詰まっています。

例えば、室内の居住スペース(インナーテント)が2つに分かれ、言わば2LDKの家のようになっていたり、格子窓や出窓、さらにはおしゃれなカーテン(勿論純正品です)が掛けられていたりと、テントで過ごす時間を快適に過ごす工夫が満載。

寝る時だけ利用するシェルターとしてのテントではなく、テントで過ごすこと自体も楽しくなる。それがレトロテントなんです。

そんなレトロテントを利用する時は、是非キャンプギアにも凝ったテントサイトを作ってみてください。

テント内にハイスタイルのチャアやテーブルも余裕で入りますし、日本のテントではあまり見かけないカラーは、木製や籐製のキャンプグッズなどともビジュアル的相性は抜群です。

キャンプ場で他の人とは被りたくない方や、おしゃれにインスタ映えするテントサイトを作りたい方などには、まさに持って来いなレトロテント。

元々キャンプというのは、非日常を楽しむ遊びです。

そのもっともベースとなるテントが、建てるだけでワクワクするような、おしゃれでちょっと人目を引くテントだったら、素敵だと思いませんか?

まとめ

レトロテントは高い。それは間違いのないことです。

だけど、高いには高いなりの意味がある、ということをまず理解して、そこからレトロテント選びを始めてみてください。

大きな買い物ではありますが、レトロテントを買うということは、まさに一生モノの相棒を手に入れることでもあるのです。

レトロテントに魅せられて|雨キャンで輝くマルシャル「セボンヌ6」

レトロテント・ショートストーリー・シリーズ

レトロテントに魅せられて Vol.1

雨キャンで輝くマルシャル「セボンヌ6」


キャンプの朝、雨の憂鬱

ポツッ、ポツッ…。

テントの幕をたたく雨音で、僕は目を覚ました。

キャンプに来て、雨音で目を覚ます朝ほど憂鬱な気分にさせてくれるものも少なく、例え今回のキャンプの滞在が明日までだとしても、その気持ちは変わらない。

予報ではこの三連休は雨は降らないという話だったが、山の天気は変わりやすいものだ。

まぁ、そうは言っても明日までずっと降り続くということも無いだろう。

そんな祈るような気持ちで、僕は寝袋から抜け出した。

リビングとなる前室部分に出ると、ビニールの格子窓に降り注ぐ雨を目にすることが出来た。

もう一つの寝室からは、今回デビューとなったこの大きなテントで、遅くまではしゃいでいた妻と子供たちの寝息がまだ聞こえている。

彼女たちを起こさないよう、僕はジッパーを開けてテントの外に出た。

雨のまとわりつくような湿度と共に、少し肌寒い空気が僕を包むが、このテントのバルコニーとも言える玄関部分は、2本のフレームで支えられたひさしが張り出していて、そこまで出ても濡れることは無い。

しかもそのスペースだけでこのテントは3畳以上ものスペースがあり、バルコニーとキッチン、そして寝室部分まで合わせれば、実に14畳もの広さを誇る僕の新しいベース。

「セボンヌ6」という、フランス生まれのレトロテントのデビュー戦が、こんな雨になってしまったのはいささか残念だが、予報では今日の夕方にはこの雨も止むということなので、それまでは雨のキャンプをこのテントの中で楽しむしかない。

ひとめ惚れのレトロテント

SNSでおしゃれ系キャンパーたちが使っていたのを見て以来、僕たちファミリーのキャンプベースとして憧れ続けていたレトロテントだったが、先日ヨーロッパのレトロテントを専門に扱っている「パジャマ・ムーン」という業者をネットで見つけた。

そこで扱うレトロテントと言うのは、滞在型レジャーキャンプ発祥の地・欧州の各テントメーカーから製造されていたテントの総称で、主に1970年~80年代にかけて作られた年代物のテントが現在流通しているレトロテントと呼ばれている。

元々滞在型という目的で作られたテントだから、携帯性や簡便性よりはむしろ、頑丈で快適な居住性を求められていたため、そのほとんどは鉄骨(スチール)のゴツイ骨組みのようなテントフレームを組立て、その上に高級天然コットンの幕体をかけて立てられるという、家型(オーナーロッジ型)をしており、近年日本のキャンプ場で人気のワンポールテントやドーム型テントとは一線を画した、重くかさばるテントだった。

けれども鉄骨テントの別名を持つ骨組みは、少々の風は物ともしない堅牢性を持っていたし、雨に濡れると繊維自体が水を含んで膨張し、布としての防水性を持つ天然コットンは火にも強く、少々の雨でも天幕の下で火器が使えたりと、その居住性は現代のテントの比ではない…という話だった。

中でも僕は、レトロテントの本場フランスの代表的メーカーだというマルシャル社が製造していた、「セボンヌ6」というレトロテントが気になり、大枚をはたいて購入した。

そもそもレトロテントは元の値段も高価なものが多かったが、現在まで続いて製造されているテントはほぼ皆無なので、必然的に程度のいい中古=ヴィンテージものを探すことになり、それはまさに出会いものと言ってもいい買い物だ。

だから「パジャマ・ムーン」のサイトで「セボンヌ6」の気品あふれる姿を見た時は、必死になって妻を説得したものだった。

そうして僕の手元に来た「セボンヌ6」のデビュー戦が、今回の2泊3日のファミリーキャンプだったと言う訳だ。

僕の期待通り、明るいグレーの地に深い青と赤をあしらった、いかにもフランス的なおしゃれな色合いの幕体は、昨日このキャンプ場で立てた後も、周辺のキャンパーから声をかけられる数が今までとは段違いな程目立っていたし、妻や子供たちの評価も上々だった。

昨夜はテントのリビングにあたる前室部分に4人用のイスとテーブルを並べ、ひさしの下にキッチンテーブルとバーベキュー用の炭火コンロをセットするという、SNSで見た憧れのキャンパーたちを習ったサイトセッティングで家族の夕食を楽しんだのだが…。

とは言っても雨か…。

僕は心の中で小さくため息をついた。

雨を眺めてモーニングコーヒー

「おはよう」

憂鬱な気分で雨を眺めながら佇んでいた僕の背中に、まだ眠たそうな妻の声がかかった。

「ああ、おはよう。コーヒーでも飲むかい?」

振り返ってそう言うと、僕はリビングと外を隔てる幕のジッパーを大きく開けた。

少しよどんだテント内の空気が一気に入れ替わるのを感じながら、ひさしの下に2人分のディレクターズチェアを引っ張り出し、脇に置いたコンテナボックスから長年愛用しているコーヒーセットを取り出した。

携帯式のミルにお気に入りの豆を2人分入れ、カリカリとハンドルを回すと、テント内になんとも言えないコーヒー豆の香りが漂いだす。

妻は1脚のディレクターズチェアをひさしの下に持って行くと、雨を眺めながら寝乱れた黒髪に手櫛を入れていた。

それを横目に僕は、立ったままSOTOのシングルバーナーに火を点け、独身の頃から愛用している年季の入ったケトルに水を入れてそっと乗せた。そうしておいて妻と僕のマグカップを2つ用意する。

若い頃から好きだったコーヒーを、自分で毎朝挽いて入れるようになったのはいつ頃からだったろう?

その習慣は結婚して2児の父親となった今でも続いていて、自宅にいる時にもコーヒーを淹れるのだけは僕の仕事だった。おかげで一連の動作は、キッチンのガスコンロがキャンプ用のバーナーに変わっただけで、目をつぶっていても出来るルーティーンだ。

やがて「セボンヌ6」の幕内にコーヒーの芳しい香りが広がり、僕は2つのカップを持って妻の元へと行った。そして、片方を彼女に差し出す。

「ありがとう」

一言だけ呟くように言うと、妻はカップを大事そうに両手に抱えた。

その隣のチェアに腰を下ろすと、僕は手にした愛用のカップに慎重に口を付けた。

「ふぅっ…」

思わず声を洩らしつつ、チェアに深く座り直す。

そうして、なんとなく天を見上げる。…が、そこにあるのは雨空ではなく、「セボンヌ6」の大きな天幕のライトグレーだ。

ほんの1m、いや、ちょっと手や足を伸ばせば、しとしとと降り続く雨に濡れてしまう状況ではあったが、そんな雨をぼーっと見つめながら、僕たちはただ黙ってディレクターズチェアに座って、2人でコーヒーを飲み続けていた。

輝く朝のレトロテント

降りしきる雨とコーヒーの香り。

「セボンヌ6」の天幕の元、それだけを感じながらゆったりと流れる朝の時間を感じていると、キャンプ場で迎える雨の朝も、悪くは無いように感じられて来るのが不思議だった。

そんなことを思いながら、ふと周囲に目をやれば、この降り続く雨の中にいくつものテントが佇んでいた。

その姿は、まさに雨中で身を潜める亀の甲羅のようにも見える。

きっとどのキャンパーも朝の雨に、憂鬱な気分を抱えテントの中で肩を落としているのかもしれない。

翻って僕…いや、僕たち家族の新しい宝物となったレトロテントは、雨の中でも雄々しく気品溢れる姿で佇んでいる、というのは僕の贔屓目だろうか?

それでも、僕の目には雨中に佇む「セボンヌ6」の天幕は、他のどのテントよりも輝いて見えた。

きっとこのあと起きてくる子どもたちも、今日1日はこのお城のようなテントの中で、思う存分遊んでくれるに違いない。

そんなことを思いながら僕は、隣で黙ってカップを抱えている妻の顔を見た。

その視線に妻も気づき、僕に笑顔を向けた。

憂鬱な朝の雨が、キラキラと輝く朝へと変わった。


レトロテントに魅せられて Vol.1
雨キャンで輝くマルシャル「セボンヌ6」
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